このケーキに使われるシード(=種)はセリ科のハーブ、キャラウェイの種(正確には果実)。
キャラウェイシードは、ほんのりとした爽やかな香りと甘味が特徴のスパイスです。
シードケーキはイギリスの伝統的なお菓子で、18世紀から19世紀にかけて特に人気があったそうですが、時代と共にその人気は下火になってしまいます。
そして現在「シードケーキ」と言うと、ポピーシードを使ったシードケーキが主流になっているようです。
そんなシードケーキの変遷が良く分かるのが、ミステリーの女王、アガサ・クリスティが著した
「バートラム・ホテルにて」の中の一節。
物語の舞台は1960年代、古き良き英国の雰囲気を残したバートラム・ホテル。
ロビーでティータイムを楽しんでいるレディ・セリナに、ホテルマンはケーキの追加を勧めます。
「何かもっとお持ちしましょうか?とても良いシードケーキがございますが」
すると、レディ・セリナは
「シードケーキ?まあ、シードケーキなんて長い間食べていないわ。それは本物のシードケーキなの?」
とホテルマンに聞き返すのです。
かつて人気のあったケーキの為か、「シードケーキ」はイギリスの物語の中にしばしば登場します。
前述したクリスティの「バートナム・ホテルにて」の他、トールキンの「ホビットの冒険」
アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」。
写真には載っていませんが、ディケンズのディビット・コッパーフィールド」、シャーロット・ブロンテの
「ジェイン・エア」にも出てきます。
そんな由緒あるシードケーキ。
シンプルな丸い型で焼くのが伝統的ですが、当店では食べやすいカップケーキサイズで御提供致します。
原材料:小麦粉、バター、砂糖、卵、アーモンド、キャラウェイシード
(青文字:オーガニック)
二個セット(70g×2) : ¥800
※シードケーキは二個セットのみの販売です。